壊れもの、配達すべからず。

先日画材屋で買った画材がついに届いた。先週金曜日だったか、郊外に大きな画材屋があると、Mさんが連れて行ってくれたのだ。リヨン駅から、高速郊外鉄道(RER)に乗って約20分ほどのJoinville le Pontからさらにバスに乗り10分ほど、郊外の、特に何もないような道路わきにある画材屋、大きな倉庫のような建物を店舗にした感じだ。さすがに新宿の世界堂のような大きさではないが、かなりの広さはある。日本と違うと思ったのはキャンバスのコーナーだ。張りキャンの数が半端ではない。各サイズのものがそれぞれ何十枚も重ねて山積みになっている。ここまでストックしておく意味があるのかと思うほど。膠引きだけの張りキャンがあるところも日本とは違う。木枠の売り方も違った。何号の木枠として組で売っているのではなく各サイズの竿がばら売り。自分で組み合わせて買うらしい。これが一般的な売り方なのかは分からないが、その店はそうだった。木枠そのものはなんの木材かは分からなかったが、日本のものより薄くて軽く、ちゃちな印象。作りはちょっと雑に思えた。別の一角に木製のパネルも置いてあったがこちらは逆にかなり重くってしっかりした印象。何枚か買っておいた。なんだかよくはわからないが5センチから10センチ程度までのやたら厚みのあるものもあって裏返せばただの木箱のよう。でもサンプルからみると、絵を描くためのパネルのようだった。イーゼルも必要だったのだが、1年間なので高価なものを買っても仕方ない。見ると2000円程度の塗装もしてない簡単なものがあった。さらに外で描くための折りたたみ式の軽いものはと思ってみたが見当たらない。日本によくあるアルミ製のちっちゃくなる軽いもの…。あるのは絵の具箱に足がついてイーゼルになるタイプのもの。これはかなり高価になる。一つだけ折りたたみ式のものがあったが、日本のものと比べるとかなりごつい。ただ、しっかりとしているし、これなら屋内と兼用でも使えるということで買うことにした。大きな画材屋だし、この際日本からもってこれなかった必要品をまとめて買ってしまおうと、膠、白亜、テレピン、絵の具の練り棒、とき油を入れるのにちょうどよいガラスの容器など、しめて3万円ほどのお買い上げ。まあ、この程度の出費ははじめとしては仕方ない。無料で送ってくれるというので頼むことにした。週末だったので休日をはさんで火曜のお届けという話だった。まあ、予想はしていたものの、火曜には届かなかった。水曜日に携帯に電話が。最近やたらフランス人からの間違い電話がかかってくるので(いや、たぶんセールスの電話か…。)またかと思ったのだが、よく聞くとどうやら画材屋からの電話。あした届けるが大丈夫かとの問い合わせのようだ。英語、フランス語、滅茶苦茶に交えて何とか明日の午前中にとの約束を取り付けた。果たして翌日午前中、やはり予想通り荷物は届かず。たぶんいなくてもガルディアン(管理人)のところに預けていくだろうと(通常荷物、郵便物はすべてガルディアンのところに行く。)アトリエに出かけた。すると2時ごろ携帯が。どうやら荷物を届けに来たがどの部屋にいるのかという内容。答えようがなく途方に暮れる。が、とにかく「ガルディアン、ガルディアンにおねがいします。ガルディアンの入口はヌメロ(番号)8!!」最後は日本語で連呼。後は配達人が何とかしてくれることを祈るばかりだった。夕方帰るとポストに「荷物が届いてます」の紙が。ほっとした。翌朝一番で荷物を取りに行ったという次第。

ウキウキと荷物のダンボール箱を開いて愕然。3つ買ったガラスの容器のうち2つが割れている。見れば何の梱包もなく裸のまま3つ一緒に詰められている。これは割れないほうがおかしいくらいだ。まあ、100円程度のものだからよかったものの、これ、クレーム付けようにも電話じゃ通じないしわざわざ行くにはお金がかかる。フランスでは、壊れものは自分で持ち帰ったほうがよさそうだ。まいったね。

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