絵描きの本性

昨日画材屋で綿布を買ってきたのでようやく下地作りの準備が整った。とりあえずは膠溶液作りから。買ってあったのはウサギ膠。普段は牛膠を使っている。およそ重量比で水と膠8対1の割合。ウサギは牛より強いのでとりあえず様子見で10対1でやってみる。実際にパネルに塗ってみると感触はどちらかというと普段使っている牛に近い。もう少し濃くても良かったか。日本で使っているウサギ膠の場合、ちょっと冷えてきただけですぐにゼラチン状にかたくなり、寒い季節だとぼそぼそしてくる感じがあると思ったのだが、特にそんな感じはない。もっとも部屋の温度は中央暖房のため比較的暖かいのだが、それにしてももう少し硬くなるかと思っていた。もうひとつの違いはにおい。あの膠独特の臭さがほとんどないのだ。よくかいでみなくてはわからないくらいで、しかもそのにおいは臭くはない。製法に違いがあるのかなんらかの脱臭の方法がとられているのか…。

どちらにしても、自分の手で物を扱っているというのは何かほっとするものだ。物を扱いながら自分の手で考えるというのは絵描きの本性のようなものかもしれない。

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