何日かぶり

ここ何日か夕方は息子の掛け算の特訓、(毎日半べそ。)夜中はいろいろ調べ物で忙しく、ブログを描く時間がほとんどない。面白いことは相変わらず多く、書こうと思えばいくらでも書けるのだが。あとは、なぜだかブログのサーバとちゃんとつながらず、調子のいい時じゃないと更新できないこともあったりする。

ルーブルには相変わらず通っているが、いまだに全部は観きれていない。先日はエジプトとオリエンタルの部門を見た。棺桶ばっかりずらっと並んだコーナーにはたまげた。その横にあるミイラを取り囲んで学生たちが一心にデッサンをしているのは面白い光景、一体寄ってたかって目的は何なのだろう。非常に美しい端正な顔の像、左右対称を基本とした不動の力強さを見せる彫刻たち。焼き物の中には思わず抹茶をたててみたくなるものや、花を生けてみたくなる坪、座ってみたくなる椅子、部屋に置いてみたい家具、いくつか持って帰りたいようだ。装飾品も、いかにもエジプトらしい。でも決して古めかしいとは思わない。オリエンタル部門の中には、まるで韓国李朝の俵扁壺にそっくりなものもある。…こう書いただけでもいっぺんに見ようと思うといかに散漫な見方になってしまうのかがよくわかる。たとえば「今日は抹茶を飲んでみたくなる器探し。」でもなんでもいい、何かその日のテーマを決めてみないと、コレクションがあまりにも膨大なので深く見ることができない。自分にとっての「とっておきの掘り出し物」を見逃してしまう。

ふと気がつくと久しぶり(ここ2週間ほど毎日の雨続き。)にちょっとした晴れ間が見えた。一度美術館を出てセーヌ川に降りる。ちょっと一か所気になっている場所があったからだ。絵にできるかどうか…。曇りの表情ももちろんいいのだが、できれば日の差した様子も見てみたかった。川辺のベンチに座って雲の流れをぼーっと眺める。しばらくすると、上の道から馬に乗った人2人が下りてくる。警察かな?はっきりは分からないが、川辺をゆっくり歩いていく。日本だったら何事かと思うところだが、ここだとそれも風景の一つに見える。なかなか絵になる光景。ウンコ垂れ流し放題のフランスだからこそこんなこともOKなんだろう。
また、しばらくしてみると、横で何やら撮影が…。ファッション雑誌の撮影かなんかだろうか。女性がシテ島バックにポーズをとっている。不思議なことに撮影スタッフは全員女性だ。そんなこんなを見ながら待つこと約2時間。結局思ったところに陽は当ってくれなかった。まあいいか。すっかり体が冷えてしまったのでまたルーブルに戻り、Café Mollienで窓の外を眺めながらのコーヒー。なんとぜいたくな話だろう。ルーブルを休憩所代わりにできるなんて。その日は観光客も比較的に少なく、モナリザも最前列で眺められた。この間から何か変だとは思っていたのだが、ダビンチの作品中、2点が貸し出し中の様でなかったことに気づく。いつ戻ってくるんだろう。
昨日はパリ市立近代美術館でやっているバスキア展を見に行った。朝一番に行ったのだが既に行列ができていた。店のレジ以外でもこんなに行列ができることがあるのかとちょっと驚く。日本での、印象派の展覧会などでの殺人的な混雑と比べるわけにはいかないが、かなりの人が入っていた。展覧会自体の内容もよかったのだが、今日は時間がないので細かいことは書かない。ただ、ここではモネ展には人が並ばないが、バスキア展には行列ができるのだ。まあ、モネはいつでも見られるわけだからわかる気がする。

 久しぶりのきれいな晴天、ちょっと歩くと目の前に堂々としたエッフェル塔。こういうわかりやすい観光の目玉に気を取られてしまうのはちょっと不本意のような気もするのだが、しばらくぶりの晴れ間の中、うすい靄の向こうにそびえたつエッフェル塔には確かにスゴミがあッた。写真じゃちょっと伝わりそうにないが。

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