9日目の仕事

背景に手を入れる。インプリマトゥーラの上にバンダイクブラウンでのウォッシュ。先週一度背景に手を入れたとき、その上に直接グレーの調子をのせてみたのだが、思ったようにはいかなかった。深みが出ない。同じ時期に描かれたもう一つの自画像を見てみる。こちらはかなり薄い層で透明に描かれている。インプリマトゥーラの上に一度暗めのグレーが入っている。その上におそらく乾く前に明るめのグレーが一部入れられているように見える。今描いている作品ではもう少し不透明に、一部はかなりの厚さで描かれているのだが、恐らくはこの絵のような暗い透明感のあるグレーが一層のった上に明るめのグレーで仕上げられているのではないか。そこで、先週は、いったん、暗めのグレーで下層の色を残しながら粗めに描いておき、今日は、この後さらに暗めのグレーズ層が来ることを考え、少し明るめのグレーで厚めにおくところ、薄く、下層を見せるところの抑揚をつけながら描き進めていった。半透明の効果を持たせるため、白亜を混入。今回は思ったよりあっさりと感じが出た。たぶんこのような手順だったのだろう。髪の毛や、影の半透明の盛り上がり、厚くて透明な黒…など、苦労している部分はまだ何か少し違うんだと思う。技法というのはわざわざ難しく描きづらくできているはずがない。できる限りシンプルで簡単な方法をとるはずだ。

今日で一応の下層描きの完成としておこうかと思う。とはいえ、乾き具合を見ながら、一部はすでに彩色層と重なる作業に入っているので、今回、下層描き、彩色層というはっきりとした境目はあいまいなまま進んでいるが。一部描き込みは不足しているが、この先色を入れながら同時に詰めていくことにしようと思う。

ところでお隣りのKay君もここに来てだいぶのってきたようだ。彼はここまでたぶん1ヶ月目くらいか。明暗の幅が出てきてぐっと良くなってきたように見える。調子良さそうだねと聞くと、なんだか持っているバンダイクブラウンの色が茶色すぎて色がうまくいかないと焦れている様子。セヌリエの顔料じゃない?と聞くと、そうだという。確かにセヌリエのバンダイクブラウンはかなり茶色っぽくて不透明な感じがする。試しに買って使っているold hollandのバンダイクブラウンを使ってみる?と分けてあげる。初めての油絵だというのに結構頑張ってます。時々彼の進行状況ものせてみようか。

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