昨日の顔のグラッシはまだ充分には乾いていない。上にのせられないことはないとは思うが、無理してやると作業しながら下を溶かしてしまう恐れがある。なので顔は部分的な修正以外手をつけず、背景を中心とした微調整の作業とした。背景をもう1トーン暗くする、黒い服、帽子など、背景との境目の強弱を見直す、陰に入っている手の調子を服の色に溶け込ませる…。画像上の変化は特にないので画像はなし。周りを詰めることで明日やるべきことが少しずつ見えてきた。最終日、顔をどこまで持っていくことができるか。
今日のお客さん。またもオランダから、アムステルダムの美大生、4カ月、インドから旅をしてきたという日本人男性、ルーブルの監視員さん、などなど、相変わらず多様です。日本人は本当に多い。春休み中の大学生がそこらじゅうにうろうろしている感じ。Kay君に言わせると、ルーブルは、「パリの中の日本です。」だそうだ。フランス人の彼の目から見ると、こう見えるらしい。「なんで日本の女の人は歩く時足を上げずにスリスリ歩くの?」それは気付かなかった。あとで妻に話すと、「たぶんそれは着物の文化だからだよ。」なるほど。確かに着物と草履じゃそんな歩き方になるな。すっかり着物など着なくなった現代でもそんな部分は生きているのかもしれない。そう、韓国人もかなりいる。ちなみに最近の韓国のメガネの流行りは黒縁メガネのようで、なよなよっとしたのは日本人男性、がっちりした黒縁メガネは韓国男性と、すぐに見分けがつく。
夜になって携帯電話が鳴る。たいがいは日本人からだがたまにフランス人からの電話がかかってくることがある。そのうち7割は間違い電話かセールスの電話。まいるのは、たいがい日本だったら相手が外国語で話してたらすぐにあきらめて切るだろうと思うが、こちらはそうじゃない。結構長く頑張る。なんと間違い電話でもだ。一度はこっちが外国人だというのに信じてくれず、たぶん家族か友達かがふざけて外国人のふりをしてると思ったらしく、げらげら笑いながら「あんたいつまでやってるのよ」みたいな調子でいつまでたっても切ろうとしてくれないことがあった。そんな電話だが、通じないからと言って切ってしまえないのが、たまに本当に用件があっての電話の場合があるからだ。例えば画材屋さんに頼んだ荷物の配達員だったり、市役所からだったり…。今日の場合、こちらの名前を言っていたので間違い電話ではなかった。昨日見に来てくれたFrançoisさん。「明日で完成するのか?」という。「そうです。」さてその後がわからない。「もう日本に帰るのかい?」
と聞いてるみたいなのだが、まだ半年います。というのがどうも通じないみたいだ。それとも質問が違うのかな?いろいろ話してみたが、結局は正確にはわからず、後でメールするよ。ということに。今考えてみるともしかしてFrançoisさん、搬出手伝ってくれようとしてるのかな?住所の事言ってたみたいだし…。よくわからないが、とりあえずはメールを待つしかないか。