9日目の仕事

昨日の話しになってしまった。18日から2週間ルーブルで描けなくなるので、一応下層描きに区切りをつける。とても当たりの柔らかい守衛さんに終わりの時間を笑顔でやんわりと、かつ強力に急かされてしまい、作品写真は撮れず。どっちにしても映像ではほとんど昨日との違いはない。
午後には日本人画家、渡部さんの個展を見に行く。渡部さんとはこちらに来る前から連絡をとっていたが、実際に初めて会ったのはつい最近、父を連れてパリ日本語教会に行った時の事だ。こちらに来る準備で行き詰っていたときにインターネットで知り合った人のさらに知り合い。手続き上の事やいろいろなことで幾度もアドバイスをもらっていた。

会場はSaint Paulの骨董品屋街、Village St-Paulの一角にある日本人経営の画廊。先日このあたりを訪れたときは平日だったためかあまり開いている店もなく、ほとんど人もいなかったが、この日は土曜日の上、古本市が開かれているらしく、たくさんの古本屋が店を出し、賑わっていた。

渡部さんはこちらに来て30年近くになるという。留学生たちのために、定期的に自宅を開放して「カレーの会」をボランティア的に開いたりしていのサムネール画像る暖かな人だ。作品はこちらの街の日常的な一画を描いた油彩とデッサン。素朴な画風が渡部さんの人柄を感じさせる。結構売れていた。会場で作品を見ている間にも何人ものフランス人が訪れ、気さくに会話を交わしていた。しばし、会場の外の椅子に座ってお茶をいただきながらゆっくりとした時間を過ごす。フランスに住んでいる日本人と話すとたいがいフランス人のマイナス面についての話題が多く出る。実際大変な面が多いようだ。しかし渡部さんと話す限りそんな話題は出てこない。実際大変な面もあるのだろうが、そんなマイナス面をも楽しんでいるように見える。フランスに長く住み、フランスを心から愛している日本人。これは芸術に対するフランス人の態度と無関係ではないのかもしれない。

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