妻の熱もようやく下がった。病院に行って薬ももらい、昨日は久しぶりに平和な眠りが訪れた。妻はまだのどの腫れが引いておらず喋るのがつらそうだが、それでも日常の仕事はできるようになった。いい加減私の作る料理のレパートリーも行き詰っていたので助かった。もう残り時間もわずか、今日の午後は妻を休ませるのと、子供たちの希望をかなえるのとを兼ねて妻を家に残し子供達を連れてエッフェル塔に登りにいくことにした。
いつ行っても長蛇の列、どうせ今日もそうだろうと思っていたがやっぱりそうだった。エッフェル塔は東京タワーと違い、塔の真下、地上には何もない。巨大なアーチの下をくぐりぬけられる。上にのぼるのは4本の脚の部分から。エレベーターで斜めに上がって行く。塔の展望台は3層構造になっており、中間の第2層部分で一旦エレベーターを降りる。頂上までは中心を通るエレベーターに乗って行く仕組み。結局エレベーターに乗るまでに1時間以上、途中乗り換えのエレベーターでもさらに30分以上待ってようやく頂上まで着いた。頂上に向かうエレベーターを待つあたりで娘のほうは早くも飽きてしまい、「もう降りようよ。下でアイスが食べたい。」とぐずりだす。ここでぐずったまま寝てしまわれては大変なことになる。息子に「上まで行きたければなんとかしろ。」と”脅迫”すると、必死になってぐずる妹をあやし、なんとか乗り越える。
頂上からの眺めは確かに圧巻だった。乾燥した晴れ間の風景は遠くまで霞むことなく見渡すことができる。空に浮かぶ雲が地上に陰影を落とすので快晴の時より風景がより劇的に見えるようだ。むこうのほうに自分達の住む街も見える。家の裏からエッフェル塔が見えるのだから、きっとここから家も見えるのだろうが、ビデオカメラのズームで探そうとすると足元の娘が暴れ出し、結局探し出すには至らず。1ユーロで見られる望遠鏡を見たいと言うのでやらせてやるが、娘は望遠鏡を逆から見ようとするし、息子のほうは背丈がたらず、空しか見えない。抱っこするには重くなりすぎてこちらもひーひー言いながら見せる。
へとへとになって下に降り、アイスクリームを買って食べさせながら一休み。結局家を2時過ぎに出て、帰ったのは7時ごろ。こんなに時間がかかるとは思わなかった。でもまあ、いいものみられて良かったか。