全くこんなことがあるとは思ってもみなかった。「存在の美学」のために描いていた作品。先週末にようやく額ができてきた。いつものように並木木工さんがアトリエまでもってきてくれていよいよセッティングしてくれる。そこまではいつも通りのことなのだが、いざ額縁を当ててみる段階になって問題が生じた。…額が合わない。なんと作品より一回り額縁が小さいのだ。誤って小さく作ってしまったのか…。ところがよくよく測り直してみると間違っていたのは額縁屋さんではなく私の方だということがわかった。ずっと50号のつもりで描いていた作品は、実は60号だったのだ。
なんという間抜けな失敗…。展覧会は2日に始まるというのに…。今から作り直すのは不可能だ。あちこちあたってみるにもすでに週末、その上ゴールデンウイーク突入。どこも連絡のつけようがない。お手上げだ。…結論から言うと、並木木工さんが連休返上で、急きょ、3日間でその場しのぎの額縁を作ってくれ、作品が売れたら新たな額を作ってくれることでなんか決着したのだが、その間、画商さんやらなんやらを巻き込んでの大騒動になってしまった。関係者の皆さん、大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。
しかしどこでどう間違ってしまったんだろう。初めからずっと50号のつもりで描いていたはずなのだが…。手違いで注文と違った木枠が送られてきてしまったのか。…なんてことを考えているうちに、たった今答えが見つかった。そう、答えはこのブログの中に隠されていた。1月24日のブログには「現在80号と50号を同時進行で進めている真っ最中だ。」と書かれている。この時点ではすでに50号というはっきりとした意識でいたことがわかる。ところで問題の記事は12月9日にあった。いよいよキャンバスを張って準備が始まったところ。「今日、80号と60号のキャンバスを張り始めた。」とはっきり書かれている。犯人は画材屋などではない。私自身だった。もう、言い訳の仕様もない。一緒の出品者、石黒君に言うと、「小尾さん天然ですか?」返す言葉もない。…あとに残されたのは入るべき作品のない50号の額縁…。ああ、痛い出費だったなあ。
作品の画像はいずれ「Works」に掲載するつもりだが、今日のところは部分の画像を載せるにとどめておく。