寒い。今日は部屋のストーブをつけてもなかなか効いてこない。夕方ふとアトリエの外に目を向けてみると東の空に大きな月が出ていた。…きれいだなあ。写真じゃ夕方のわずかな日差しの色のニュアンスが出ない。当然だが澄んだ空気の冷たさや、周囲の静けさも。絵でもなかなかそこまでは出せないんだよなあ。その場に立っているリアリティーにまさる表現ができたらどんなに幸せなことか。でもとりあえず現場のリアリティー、「きれいだなあ。」ただそれだけのことを感じられることに、まずは感謝しよう。感動なんて言うものはそんな特別な場所、特別なものじゃない、当たり前で些細な日常の中にいくらでも潜んでいるものなのだから。