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ふと気づくと庭の風景はすっかり春めいてきていた。今年の春はやたらと風が強い日が多かったが、早くから暖かくなったため、庭の花も早めに咲き始めている。もう梅やアンズの花は散ってしまい、ムラサキハナナが本格的に咲きはじめようとしている。バイモは日陰に静かに頭を下げて咲いているが、弱そうに見えて実は強い。最初に植えてからもう5年くらいになるんだろう、毎年しっかり咲くばかりか、少しずつ増えてきている。強いと言えばクリスマスローズもかなりのもの。年々株が大きくなりつつある。庭作りを始めたころはいろんな花を植えて試したものだが、結局はその土地、環境に適合したものだけが残っていくようだ。合わないものはどんなに手をかけてもいつの間にか姿を消していくが、上手く合うものは全く手をかけずとも勝手に毎年自らの落とした種から増え広がっていく。その場所にあったものを見つけてうまく生かしてあげるのが庭づくりにとって最も安上がりでしかも効果的な方法のようだ。このあたり、絵具と表現の関係、また、絵を描くことと似ている。