「さあ、韓国に行くぞ!」と、半分涙を隠しながらに子供たちに伝えると、もちろん彼らは大喜び。ところで彼らの視点は大人のそれとはちょっと違う。いや、かなり違う。…全然違う。韓国に着くなり下の子が言う。「ハルモ二(おばあちゃん)んちに着いたらすぐ公園に行きたい!!」…実はもう行くことに決まった瞬間から5歳の娘が言い始めたセリフだった。
それはごく一般的な住宅地、ハルモニの家から歩いて2分もかからないところにある、日本にもそこらにありそうなありふれた小さな公園のこと。しかし娘にとってはそれが最大の目的地、いわば憧れの公園だったのだ。実際にハルモニの家につき、会いたかったハルモニに会って挨拶を交わすとすぐに公園に行こうとせがむ娘。ちょっと夕食までに間があったので妻を残して私が子供2人を連れて行くことにした。そこまでこだわった憧れの公園、行っていったい何をするのかと思えば、滑り台やらブランコに乗ったのはたったの数分だけ。「びーびーだまだ!!」地面を見てそこここに散らばっていたBB弾を発見した子供たちはひたすらそれを拾い出す。5年生の長男と5歳の娘。おとなげもなく(そりゃそうだ、大人じゃないもんな。)どっちがいっぱい拾えるかをケンカしながら競う姿は微笑ましいと言ったらいいのかばかばかしいと言ったらいいのか…。結局30分以上、大騒ぎしながら地面にへばりついていた。ほんと子供って足元しか見てないんだよなあ…。そういえばフランスにいた時も壮麗なベルサイユ宮殿を目の前にひたすら足元の駐車場の砂利で遊んでたり、はるか水平線上にそそり立つモンサンミッシェルの眺めに目もくれず、砂浜の生き物を見つけて大興奮したりしてたっけ。http://www.osamu-obi.com/blog/2011/05/post-98.html子供たちにとっては韓国もフランスも関係ない。どんな珍しい光景も美しい自然も、足元5メートル以内の光景には勝てないようだ。