本日は休業。

 

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本日…と言っても先週の話。前回のブログでも書いたとおり、先週の金曜日に展覧会の初日を無事迎えた。しかしその何週間かは全くの死にもの狂いというやつで、ほんとにどうして締め切り間近はいつもこんなことになるのか、自分でも情けないくらいだった。作品搬入は本当なら余裕を持って水曜あたりを打診されていたのだが、ああだこうだダダをこねて木曜の朝にしてもらった。本当なら木曜の夜遅くまで。と言いたいところだったのだが、そうもいかないわけがあった。…大学の授業。結局木曜日の明け方4時半頃まで描いて何とか仕上げ、2時間ほど寝て、朝から大学へ。その日は3年生のコンクールの講評、昼過ぎまでに個人賞まで決めて、午後はカリキュラム会議。そのまま夕方には自由が丘の教室の仕事に向かい、9時までデッサンを教える。家にたどり着いたのは10時半過ぎ。さすがにその日は1時には眠り、翌朝は再び大学へ。午前は1年生、午後は2年生の自分の授業の講評、採点。終わるとその足で茅場町の展覧会会場でのオープニングパーティー。その日の帰宅は12時近かったかなあ…。よく覚えていない。そんなわけで何とか一つの山場を乗り切ったわけだが、あとにはすでに次の締め切りが迫ってきている。すぐにでもそっちの描きかけの作品に取りかかりたいところなのだが、この締め切りのバタバタのあおりを受けているのは私だけではない。…そう。家族。その間何ひとつ家族サービスなんかできなかったばかりか、夜中まで仕事して朝遅く起きて、子供の宿題の面倒も見ず、食事をしたら逃げるようにアトリエにこもってしまう父親そして夫としての自分。ことに妻はもう限界!これで引き続きアトリエにこもったりしたら爆発は目に見えている。そうなったら最後、もう止めることは不可能。10年前の出来事からほじくり返し、現在に至るすべてのことを反省する羽目になる。

 そんなわけで土曜日は思い切って1日中仕事のことは忘れて家族と過ごすことにし

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た。朝から近所のちょっとおしゃれな喫茶店で朝食をとり、午前中は天気も良く、涼しいので久しぶりに近所の森の散歩道を子供たちと歩いた。うちの裏手にはもともと古くからある農家が並んでいて、おそらくはその農家が持っている雑木林が裏手に延々と続いている。その林を市が管理して遊歩道を作り、コースにすると数キロにもなる遊歩道ができている。実はその存在を知ったのはここに引っ越してきて1年以上たってからだった。こんな近所にこんな散歩コースがあったなんて…。当時はびっくりしたものだったが、近所の人たちは結構利用しているようで、昼間も歩いているとジョギングをする人、散歩中の老人たち、かなりいろんな人とすれ違う。

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 今年の夏は短かった。気付くとあたり一面響き渡っていた蝉の声もすっかり影をひそめてしまっている。道の傍らには、あちこちにコスモスの花が風に吹かれて揺れている。秋の光に照らされて蜘蛛の巣が輝いてい

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る。林を歩いていて妻が「あれ?」ッとしゃがみこむ。見ると虫に食われたのかすっかり葉脈だけにされた木の葉。よく見ると尺取虫がそこに一匹。すっかり裸にされた葉は、まるでレースの編み物みたいに美しい。そっと根からとって家に持ち帰ることにした。そんな些細な一つ一つがなんだか特別な事みたいに思えてくるのは、その間忙しさの中でいろんなものが見えなくなっていたせいかもしれない。

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 午後は何をして過ごしたっけ…、もうすでに忘れてしまったが、久しぶりに子供の宿題を見てやったり、夕方は外食して、近所のホームセンターで買い物をしたり、とにかく仕事のことは忘れて過ごした。たまにはそんな日も必要だな。

…これでまたしばらく家族には迷惑をかけることになるけれど、ちょっとは点数稼ぎにはなったんだろうか…。そうだといいんだけど…。

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