もう販売開始から結構経ってしまっているので、もう知っている方や、すでに買っている方もいるかもしれない。総合図書から「現代画家が描く美しい女性像」という本が出ている。
主に写実画家たちの作品が掲載されているのだが、今回は洋画の作家だけでなく日本画の作家たちの作品も一緒に取り上げられている。あまり普段一緒に取り上げられることのない日本画の作家達と作品が並べられるのはこちらにとっても興味深い。作家数は19人と絞り込まれ、それぞれの作家についてかなり丁寧に取材されていると思う。見応え、読み応えはあると思うがいかがなものでしょう。私自身は10ページほど、作品と、アトリエの様子などを載せてもらっている。ありがたいことです。よろしければご覧ください。
一つだけ、最近思うことは、こうして写実絵画が取り上げられる度にどうしても”女性像”もしくはヌードにくくりこまれてしまうこと。絵描き側は必ずしもそれだけを描いて
いるわけではなく、また、女性像を描く画家以外にもいい写実作家たちはいるのだが、どうしてもそこはフィルターにかけられてしまい、日本に於いて写実といえば女性像。という固定概念がますます強化されてしまうという危惧を感じ始めている。どうやら女性像とそうでないのとでは本の売り上げが違うらしい。たぶん日本文化にある「美人画」の伝統と結びつきやすく、受け入れられやすい土壌があるのかもしれない。しかし写実絵画って
そんなピンポイントな狭いジャンルの世界ではないはずだ。正直言ってそろそろその枠を取り払った中での写実絵画が取り上げられるようにならなければならないのではないかと感じてもいる。
…どこかからそんな”粋”な企画、転がってこないかなあ…。
「贅沢なこと言うな!」…といわれればそれまでだが。
…とにもかくにもこの本、ぜひ一度手に取ってみてください。お勧めします。