今週土曜日まで茅場町のGallery Suchiで開かれている私の個展。実はたった今、そこから1キロと離れていないところで第2会場と言えるちょっと”まぼろし的な”展覧会が開かれている。なぜ幻かと言えば、いつやっているかもいつまでやっているかも何点みられるかもわからない非公式な展示だから。
実は昨日日本橋の春風洞画廊に行ってきた。春風洞が持っている私の
初期の作品のうち、主に白日展に出品した大作6点ほどのメンテナンスのため。画面を見て、ヒビや剥落のないことを確認し、表面を
アルコールで拭いて消毒。仕上げにニスをかけた。作品保護のため、ニスは出来ればすべての作品にかけたいのだが、本来ニスは描き終わってから半年以上たってから塗るもの。しかし実際は描き終わり、イコール出品の締め切りという場合がほとんどなので、ニスを塗ることが
できないことも多い。だから何かの折に作品が戻ってきた時には必ずニスを塗るようにしている。
今回ニスがけした作品は私が大学院を卒業した年のものから30代前半あたりまでの6点。久しぶりに見たが幸いコンディションに問題はなかったが。しかしさすがにだいぶ艶がひけて暗部の深みが
失われていた。ギャラリーの人たちに全て額縁から外してもらい、1点1点にニスを塗り、作品は再び描き上げた時のつやと深みを取り戻すことができた。
…と、言うこともあって、「せっかくこれだけ倉庫から引っ張り出したのだから、ニスを乾かしがてら、しばらく画廊にかけてみたらどう?」とい
うGalleryの担当の一人からのありがたい、つぶやきにも似た一言にのっかって、ぜひお願いしますとこちらからお願いしてしまった。…そんないきさつで急きょ、会期も休廊日も未確定という、まるで真夏の蜃気楼みたいな展覧会の開催となったわけでございます。
おそらく今回展示されている作品は今後私自身を含め2度とみることは出来なくなる可能性も高い。もし茅場町の個展に行かれる予定の方、
余力があればついでにご覧ください。
ただしこの展覧会、公式なものではないため、いつまで展示されているかわからない。また突然休みになる可能性もあるため、行く前に画廊に問い合わせることをお勧めします。連絡先はこちら。
たった今聞いた情報ではたった今(8月5日午後5時半現在)、作品の写真撮影のためスタジオに運び込むための梱包作業中だとか、したがって明日(8月5日)は見ることができないので実質見られるのは8月7日から。展示されるのはとりあえず3点ということです。いずれにしろ、いつ変更があるかわからないので行く前には画廊に電話したほうがよさそう。