レンブラントについて書くつもりが、忙しくなって書けないまま。もう、ちょっと心が折れてしまった。http://www.osamu-obi.com/blog/2016/01/post-323.html …ああいうのは本腰入れてやらないと書けないので…。すみません。
久しぶりにちょっと軽めのから。
土曜日、アトリエで搬入直前の作品に手を入れていた時のこと。下から階段を上ってくる音が…。いやな予感がしたのだが、案の定というかなんというか…、娘がひょっこり顔を出し、一言。
「お父さん。遊ぼう!」
この世で一番恐ろしい言葉の一つ…。
「何言ってんだよ。お、お父さん暇じゃないんだぞ!」
「あ、そうか。わかった。」…なんて素直に答えるわけがないことはわかりきっている。
「ねえ。遊ぼうよ。遊ぼうよ。ねえお父さんったら!遊ぼうよ…。」
とどまることを知らない。無理だ無理だといっても聞くはずもなく、しばらく聞こえないふりをしてしのぐも、今度は次の攻撃に出てくる。
「お父さんはいっつも忙しいって言って全然遊んでくれない。どうして遊んでくれないの?」
「えー?時々遊んであげてるじゃないか!」
「ちっとも遊んでくれないよ!」
「あのね。お父さんがちゃんと働かないとお金が無くなっちゃうんだぞ。そしたらご飯も食べられないし何も買ってあげられなくなっちゃうじゃないか。困るでしょう??」
しばらくの間。
「不満がある…」
「なに?」
「どうして大人は自分の好きなものばかり買って私には何にも買ってくれないの?」
「なんでそう思うの?」
「だってお父さんはこんなに筆ばっかりいっぱい買ってるのに私のものは買ってくれないもん。」
「筆?これは仕事のためのものだよ。これがないとお金を稼ぐことが出来ないじゃん。」
「お母さんは自分の化粧品を買うのに私の化粧品はないもん。」
「お母さんには化粧品が必要だけど、お前さんはまだ使う必要がないだろ?必要があるものはちゃんと買ってあげてるじゃないか?」
「お父さんは好きなコーヒーばっかり買ってるけど、私にジュースは買ってくれないもん。」
「え?ジュースだって買ってあげてるじゃん。」
「だってお父さんは毎日ご飯の後必ず飲むでしょ!」
「ダハハ…。食事のたびにジュース飲んでたら体こわしちゃうよ。」
「お母さんはいっつもいろんなこと命令してばっかりでさ…それにお兄ちゃんは…」
立て板に水というべきか、もう終わりなくあんなことこんなこと、いくらでも出てくる。この際、遊べないのとは全く関係のないことまで手当たり次第にすべて吐き出す勢い…。この終わりなきネガティブスパイラルに終止符を打たなければ前にも後ろにも動けそうにない。
「よし。わかった。じゃあ、昼ごはんまでの間、庭でバスケットボールで遊ぼうか!」
食いついてくるかと思いきや、ぶっと膨れたまま、
「バスケットはやりたくない。」
「じゃあ、バトミントンにする?」
「バトミントンもやりたくない。」
これはこれはなかなか手ごわいぞ…。
「じゃあ、何をやりたいの?」
「……」
「時間ばっかり過ぎちゃうぞ。何もやりたくないならやらないよ。言ってみな??」
いやーな感じのしばらくの間…
「じゃあ、庭に木の枝でなんか作りたい…。」
一応作品にもめどがついたこともあり、そんなわけで庭に出ることとなった。
幸いというかなんというか、我が家の庭には剪定された木の枝がゾウの足なみに太いのから割りばしくらいに細いのまでうなるほど積み上げられている。材料には事欠かない。
とりあえず物置から電動の丸鋸とドリルを持ち出し手ごろな枝から意味もなく輪切りにしてみる。
「さあ、なに作る?」
「うーん、おうちにする。」
倉庫にあった使い残しのベニヤ板を土台にして4本の比較的まっすぐな枝を4隅にねじでとめて柱にする。
「こんなんでどう?」
「わあ!あそこの葉っぱ取ってきていい?あれで屋根を作る。」
その間に天井の骨組みをつくって屋根をのせさせる。またいくつか枝を切って入口やら窓やら、骨組みを作る。
「なんだかハワイみたいだね。」
よしそれじゃあ…。平らに輪切りにした枝を太めの枝の上にとめ、テーブルに。いくつか太めの枝を切って椅子を作る。なんとなく家っぽくなってきた。
そんなことしてる間に近所の子供たちの声が聞こえてきた。娘は急にそわそわしだし、
「ちょっとみんなに見せてきていい?」と言い出す。
「いいよ。持って行きな?」
その間にさらに思いついて丸鋸を使って背もたれ付きの椅子なんか作っちゃったり、もう娘とは関係なく遊び始める。いつの間にか中1の息子まで出てきて何やら作り始め、そんな手つきじゃだめだなんて監督を始めちゃったり…。いつしか娘は友達と鬼ごっこみたいな事初めて、もうこちらなんて気にもしてない。
遊んでくれないなんて散々ごねて、いざ、遊んでやるとこっちをおいて友達と遊びに行っちゃう…全く娘の不満ってこんなもんだ。今度は親父が娘に「不満がある!」ってくだを撒いてやろうかな!!
あんまりいい天気なので妻に言って昼飯は庭でうどんを食べることにした。家族で庭に出て食べる昼食。まあこんなことも悪くないか。くだを撒くのはやめとこうっと。そんなこと考えながらのんびりしてる時に画商のSさんが絵を取りに車で入ってきた。ちゃんと完成させたからご安心のほどを!