東急セミナーBE 鉛筆デッサンクラスのこと

今までカルチャーセンターのことはほとんど書いてこなかったが、実はカルチャーセンターの仕事はもう、かなり長く続けている。自由が丘にある東急セミナーBE、木曜の夕方と金曜の午前中の鉛筆デッサンクラス。もともとは渋谷の東急プラザにあったのだが、渋谷駅前の再開発に伴いビルが取り壊されることになり、移転した。ムサビの非常勤講師を始めたころから渋谷校で木曜夕方のデッサンクラスを始めたので、自由が丘と合わせ、もう15年以上、20年近くになる。生徒さんの中には私が始めたころからの長い人から最近入った人、毎年個展を開く人から始めたばかりの人まで年齢層、経験共に幅が広い。金曜クラスは数年前から始めたクラスで、月2回。木曜クラスよりさらに初心者が多い。初めのうちは毎回1課題で基本的な形の見方、明暗でいかに物の立体感を表現するのか、いかに構図を取るのか、ものの質感の表現法…、などを学んでいき、次第に時間をかけて1枚の作品を仕上げていけるようにしていく。鉛筆デッサンクラスとはいえ、特に木曜クラスでは長く通っている人も多いので、皆さん興味の幅も広がり、水彩をやってみたい人、パステルで描いてみたい人、いろいろ出てくるため、私のカバーできる範囲で画材も自由に広げている。

描き始めて間もなくいきなり上達する人、ゆっくり時間をかけて着実に上達する人。人それぞれだが、枚数を重ねるうちに何かをつかむ様子に立ち会いながら教えることはなかなか得難い楽しさでもある。

先月は木曜、金曜クラスとも、板に貼った和紙の上に鉛筆やコンテで自由に描くという授業だった。目標は「自分の家に飾れる作品。」F4号サイズのパネルを使いモチーフも各自で決め、木曜クラスは3回、金曜クラスは2回で好きなものを描くという内容。これはうちのクラスのちょっとした目玉となっている。しばらく休んでいた人がこの課題に向けて戻ってくることもある。それぞれ好きなモチーフを家から持ってきたり、自分で撮ってきた猫の写真を使って描いてみたり、図書館で見つけた写真集から描く人や、巨匠のデッサンの模写をする人など、思い思いの題材で自由に描いている。

この方法は、基本的には私がときどき自分でもやるミクストメディア作品の描き方に近い。

パネルに薄めの膠水で和紙を貼った下地を作る。その際褐色系の色で着色して中間トーンを作っておき、暗部を鉛筆、明部を白コンテや色鉛筆を使って描き起こす。さらに好みで水彩を使う人、パステルを使う人など…。それぞれ工夫しながら自分だけの作品を作っていく。和紙そのものはごく薄いものだが、膠で板に貼り付けられた下地は非常に丈夫で何度消したりこすったりしても痛むことがない。その描き心地の気持ちよさもあってか、毎回この課題ではかなり完成度の高い作品が出来上がる。半年に1回ほど、定期的にやっているため、中には数年で描きためたこの板絵だけを集めて個展を開いた人もいる。今回もなかなかの力作ぞろい。いかがでしょうか?こんないい絵ばっかり見ちゃうと恐れをなして私は遠慮しますなんて思う人がいるんじゃないかと不安になるが、大丈夫。初めはみんなほとんど描いたことがない状態から始めてますから。4月から新たにカリキュラムがスタートするので。ご興味のある方は是非どうぞ。

詳しくはこちらまで。

https://www.tokyu-be.jp/seminar/2016040006LU75001.html

https://www.tokyu-be.jp/seminar/2016040006LU64001.html

 

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