今年の1月から3ヶ月間、恵比寿にあるアトリエ・エビスにて開講されている「リアリズム塾」で油彩技法を教えさせていただいている。去年から始まったこの講座、1期の五味文彦、2期の島村信之に続き、私は第3期となる。ちなみに4月から始まる第4期は石黒賢一郎。それぞれ講師陣が普段の自分の制作方法を元に講座を開設している。私の場合は主に技法面を中心に下地の処方から始めて人物をモデルに作品を1枚仕上げるところまで・・・という感じ。3ヶ月12回とは言っても12回すべてを私が見るわけではないが、合計5回要所要所で直に教えながら、間はエビスの優秀な講師がつないでくれる。その間、毎週送られてくる受講生達の途中経過の画像を見ながら一人一人にコメントを書くというやり方で連絡を密にした。
合計12日間という比較的長い制作時間が与えられていたので内容的にもかなりじっくり構えたものができている。初日はパネルに白亜地を作る作業から始め、基本的な画溶液の種類と性質の違いを話し、現在私が使っているメディウムの説明と作り方の実演、後半にはスライドを見せながら油絵の技法史的な流れについての講義という盛りだくさんなものになった。
2回目はアンダーペインティングについての説明と短いデモンストレーション、
3回目にその中間指導をし、4回目にはグレーズを主とした彩色法の説明とデモンストレーション。そしてはやいもので、いよいよ今週の土曜日に完成、そして講評となる。
正直言って、今までこれだけじっくり自分自身の方法をまるまる教える機会は、大学の授業を除き、他になかった。受講生達も皆熱心で、中にはかなりレベルの高い人もいる。
この講座を受講した人が何か一つでもつかみ、今後の制作につながってくれたらと願うばかり。
さて、次回は石黒賢一郎氏の番。たぶん全く違ったものになるんだろうな。その後も続々と講座は続くようなので、興味のある方はチェックしてみてください。詳しくはアトリエ・エビスまで。
http://www.atebis.com/