うちの庭には小さな畑がある。せいぜい4畳半程度のもの。庭は日当たりがあまりよくないのでそれほど立派な作物ができるわけではないのだが、それでも春から夏にかけてそれなりの野菜が食卓にのぼることになる。今は去年の秋に種をまいておいたリーフレタスが葉を出し始めている。充分育つまで待って収穫していると、いっぺんにたくさん採れて食べきれずにだめになるので、いくつも植えて、葉が出てきた順に下の葉から摘んで食べていくようにすると結構長い間食べ続けることができる。春にばらまくように種をまいた水菜や春菊、小松菜などは混みすぎたのを間引きながら食べる。ニラやしそ、エゴマの葉などはわざわざ畑に植えると言うよりは、庭のあちこちに自然に出てくるのを採っている。サヤエンドウやらインゲンは、毎年冬に剪定された木の枝を使って絡めた垣根のようなものを手にしてのぼらせる。
ちょうど毎年5月の連休の頃になると、近所のホームセンターで買ってきたトマトやらキュウリを植えるのがなんとなくの恒例行事となっている。
ちょうど暇をもてあましてたいへんな娘が「私も手伝いたい!」というので一緒にやることにした。去年庭の落ち葉を集めて作っておいた腐葉土を畑にぶちまける。同じく去年大量の木の枝を焚き火で燃やしてできた灰やら肥料をまき耕す。余談だが、この腐葉土の中には毎年カブトムシの幼虫が大発生する。子供の友達にただであげたりするのだが、意外に男の子でも虫が苦手な子がいたりして、それでも裁ききれない。さて、ちっちゃかった娘も4年生にもなるとかなり力もつき、教えてもいないのに勝手に鍬を使って耕し始める。役に立たないかと思ったら結構しっかり腰を入れて深く耕しているのにちょっと驚く。耕した後に木の枝をさしてキュウリのツルがつかまるように手を作る。最後に買ってきた苗を植えて水をたっぷり注ぎ、できあがり。夏になる頃には蚊がすごすぎて雑草取りもままならず、雑草と虫の天国と化すため、ほとんど春限定の畑になってしまうのだが、それでもなかなかいいもんです。今年はどれだけ食べられるかな?